月読命ラ院

変異カオスミラー(変異スタンミラー)を作りました
04環境旋風BFミラーほど有名ではありませんが組んでる人は結構見かけます
めちゃくちゃ雑に説明すると04環境に突然変異を入れたようなデッキです
遊戯王カードWikiでは【変異カオス】と呼ばれていますが当時は変異スタンという呼び方の方がメジャーだったっぽいです
デッキ内に数枚のカードが加わるだけで【サイドラ変異】【アビス変異】【ミーネ変異】と呼び方がコロコロ変わったりするので細かい呼び方の違いはあまり気にしなくてもいいと思います
ちなみに海外では【Goat Control】と呼ばれています
変異カオスの中には《混沌の黒魔術師》《サンダー・ドラゴン》《デビル・フランケン》を採用し変異スタンを更に高速化した「ターボ変異」やターボ変異に《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》を加えて盤面を数ターン硬直させた後《ハリケーン》からワンターンキルを狙う【フィフターボ変異】なるデッキも存在しました
「フィフ」は【フィフティ・フィフティ】から来ています
今回は変異ターボ系のカードは採用せず、オーソドックスな変異スタン系のカード及び《サイバー・ドラゴン》や《阿修羅》などの変異スタンの中でも採用が人によって分かれていたカードを中心に構成しました
変異カオスミラー テンプレ

ほとんどの人は上記画像の2005年日本代表最終選考会日本代表のTさんのレシピ(融合デッキの詳細は不明)をそのまま使用し04環境のように構築を40枚全て完全に固定していますが俺はその方式があまり好きではないので、以前紹介した8征竜ミラーと同じくあらかじめ用意した束からカードを取捨選択しデッキを構築する所からスタートする方式にしました
Wikiにもあるようにこのデッキが存在していたのは2005年3月の禁止制限下の環境です
つまり当時のルールは毎度おなじみのマスタールール2ではなく新エキスパートルールです


そしてエクストラデッキという概念は存在しません
存在するのは“融合デッキ”です


リリースという概念は存在しません
存在するのは“生け贄”です


アドバンス召喚という概念は存在しません
存在するのは“生け贄召喚”です


“融合デッキに枚数の上限はありません”


究極
『融合デッキ』
246枚(コンプ)

は流石に再現するのは無理だったので使用頻度の高いカードを8征竜ミラーとおなじく20枚まで絞り込みました
最初は30枚でしたが一つだけポケモンのデッキケースを使えないストレスが予想以上で結局20枚にダイエットしました
かなり無理をして20枚に収めたのでこれ以上削るのはたぶん不可能だと思います

変異カオスミラー

ゔぁりすが勝手に作ったカード検索のレシピ
カード検索


画像のメインデッキ60枚の束から
40枚以上60枚以下のメインデッキを構築し
“融合デッキ”は20枚をそのまま使用します

ルールは当時の新エキスパートルール
先行ドロー 
召喚成功時の起動効果の優先権 
融合デッキ 無限





【起動効果の優先権】

遊戯王カードWikiなどでも説明されていますが一応雑に説明します
起動効果を持つモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の成功時にそのモンスターの起動効果を発動できる
つまり召喚成功時に限り、起動効果を誘発効果と同じタイミングで打てます
起動効果である《ライトロード・マジシャン ライラ》の効果が《ライトロード・エンジェル ケルビム》や《氷帝メビウス》と同じタイミングで発動できます

例を挙げて説明するとプレイヤーAが《ライトロード・マジシャン ライラ》を召喚し、優先権を行使して効果を発動し《光の護封剣》を対象に選択した場合、プレイヤーBは《奈落の落とし穴》をライラの効果にチェーンして発動することになるためライラによる護封剣の破壊を阻止できない

当然、優先権は放棄することも可能でその場合はマスタールール2以降のルールと同様にライラは効果発動前に奈落によって除外され、効果を発動するタイミングはありません

このミラーマッチを遊ぶ分には上記の雑な説明で十分ですが念の為にもうちょっと詳しく言うと
『召喚・反転召喚・特殊召喚の成功時にチェーン1でフィールド上のモンスターを起動効果を発動できる場合』に限り、優先権を行使すれば、『《E・HERO エアーマン》などの召喚成功時の誘発効果』と同じタイミングで起動効果を発動できるルールです
召喚成功時に《王虎ワンフー》《つまずき》等の誘発効果が発動した場合や、シンクロ召喚された《氷結界の龍 ブリューナク》の召喚成功時にシンクロ素材にした《クリッター》の誘発効果が発動した場合はチェーン1に起動効果を撃てないため優先権は行使できず、マスタールール2以降と同様の処理となります




【融合デッキについて】

《サウザンド・アイズ・サクリファイス》
星1融合/闇/魔法使い族/攻0/守0

[変異素材]
キラスネ 聖マジ ミミック 羊トークン

変異カオスの代名詞とも言えるモンスター
相手のアタッカー、裏守備の処理
アタッカーの生成
盤面の膠着
など色々の役割を1枚でこなす



《アンデット・ウォーリアー》
星3融合/闇/アンデット族/攻1200/900

[変異素材]
アサシン 死霊 クリッター

星3融合体最高打点



《暗黒火炎龍》
星4融合/闇/ドラゴン族/攻1500/守1250

[変異素材]
月読命 ならず

星4融合体最高打点
星4低打点をアタッカーに変換するためのものでアタッカーを変異素材にすることはまずない
強奪で奪ったアタッカーを変異させサイクロンのケアや相手ライフ800未満を維持して早埋のケアを目的として出すレアケースもある



《黒き人食い鮫》
星5融合/水/魚族/攻2100/守1300

[変異素材]
サイドラ パーシアス

星5融合体最高打点



《魔神 ダーク・バルター》
星5/闇/悪魔族/攻2000/守1200

[変異素材]
サイドラ パーシアス

リバース効果モンスターだけでなく月読命、キラスネ、クリッター、女戦士に対しても有効
1000払って通常魔法を無効にするこの時代のナチュル・ビースト
壺、施し、双子悪魔、大嵐、変異、抹殺、ライボル、護封剣を止める
ただし通常魔法以外は止められないので強奪や月の書で結構簡単に死ぬ



《デス・デーモン・ドラゴン》
星5融合/風/ドラゴン族/攻2000/1200

[変異素材]
サイドラ パーシアス

バルターに似た効果を持つモンスター
ただしリバース効果モンスター限定で月読命やキラスネには効果がない
自身対象を取る罠を無効にするため炸裂装甲、破壊輪をケアしつつ裏守備を処理できる
ミラーフォースや月の書に対しては無力なため過信はできない



《ドラゴンに乗るワイバーン》
星5融合/風/ドラゴン族/攻1700/守1500

[変異素材]
サイドラ パーシアス

ガンマンのようなフィニッシャー
たまに早すぎた埋葬を打たせないためにキルまで届かなくても出す場合もある
直接攻撃できる条件は
 ○地・水・炎属性モンスターのみ
 ○地・水・炎属性+裏守備モンスター
 ✕裏側表示モンスターのみ
属性に該当するモンスターは
キラスネ、メタポ、同族感染、ならず、ケイローン、メビウス
レア・フィッシュ、黒き人食い鮫、紅陽鳥、ドラゴンウォリアー、メテオブラック



《ナイトメアを駆る死霊》
星5融合/闇/アンデット族/攻800/守600

[変異素材]
サイドラ パーシアス

相手の場に依存しないガンマンたまたま800とダメージもガンマンと一緒
ハンデス効果も相手の場をガン無視するので死霊の数倍強力



《闇魔界の竜騎士 ダークソード》
星6融合/闇/戦士族/攻2200/守1500

[変異素材]
ショッカー メビウス

開闢の召喚を止める永続効果がないカイクウ



《ドラゴン・ウォリアー》
星6融合/地/戦士族/攻2000/守1200

[変異素材]
ショッカー メビウス

召喚機会の少なさも相まって最もテキストがうろ覚えなモンスター
「通常罠を1000払って無効にする誘発即時効果」
「自身を対象にする魔法を無効にし破壊する永続効果」
リビデ以外の罠を1000払って止め、強奪と団結と月の書が効かないモンスター



《おジャマ・キング》
星6融合/光/獣族/攻0/守3000

[変異素材]
ショッカー メビウス

開闢の素材となる光属性の供給が役割
相手のモンスターゾーンを埋めて停滞させることもできる



《メテオ・ブラック・ドラゴン》
星8/炎/ドラゴン族/攻3500/守2000

[変異素材]
ネフティス 開闢

星8融合体最高打点



《サイバー・ツイン・ドラゴン》
星8融合/光/機械族/攻2800/守2100

[変異素材]
ネフティス 開闢

5600叩き込んで相手を殺す



《ガトリング・ドラゴン》
星8融合/闇/機械族/攻2600/守1200

[変異素材]
ネフティス 開闢

羊トークンや裏守備を消し飛ばす
サイコロ頼りで盤面解決するイカれたカード
コイキングのように「なにもおこらない・・・・」となったり相手の羊トークンと一緒に自身も消し飛んだりやはりイカれたカード




リストラされた融合モンスター
《魔装騎士ドラゴネス》
星3融合/風/戦士族/攻1200/900

[変異素材]
アサシン 死霊 クリッター

星3融合体最高打点



《フレイム・ゴースト》
星3融合/闇/アンデット族/攻1000/守800

[変異素材]
ドラゴネス アンデットウォーリアー

強奪で奪った相手の融合体を死デッキの媒体に変換するためのカード
幻想召召喚師をプールに採用していないため使用機会はかなり少ない


《レア・フィッシュ》
星4融合/水/魚族/攻1500/守1200

[変異素材]
月読命 ならず

同じく星4融合体最高打点
同族感染ウィルスケア目的の多種族
暗黒火炎龍より守備が50ほど低いが戦闘破壊できるモンスターは暗黒火炎龍と変わらない
影響はイグザリオンやパーシアスに守備表示時に殴られたときに貫通ダメージが50高いだけ



《紅陽鳥》
星6融合/炎/鳥獣族/攻2300/守1800

[変異素材]
ショッカー メビウス

星6融合体最高打点
最高打点だが素材よりも打点が低い
このミラーマッチセットでは星6に1度変異を撃った後の打点アップのために出すことになる
つまり星6に2回突然変異を撃つ前提
当然プレイ頻度は低いのでリストラ










【忘れがちなルールまとめ】

《月読命》
・モンスターを裏側守備表示にする効果は強制効果のため対象にするモンスターが他に存在しない場合、自身を対象に発動してしまう。

・トークンは裏側表示が存在しないため対象にできない。

・リバース時にも効果が発動するが「リバース効果モンスター」ではないため《抹殺の使徒》によるデッキからの除外、《ブレイドナイト》 《デス・デーモン・ドラゴン》による効果無効化、《深淵の暗殺者》による回収はできない。


《イグザリオン・ユニバース》(バトルステップ関連)
・守備表示モンスターに攻撃するときしか発動できない。

・効果の発動タイミングが「バトルステップ攻撃宣言終了後」のため、裏側守備表示の相手モンスターを確認してから効果を発動することはできない。
また《炸裂装甲》《聖なるバリア -ミラーフォース-》などの攻撃反応は効果発動の有無を宣言する前に発動しなければならない。

・攻撃された側のプレイヤーが 《スケープ・ゴート》を発動し、巻き戻しが発生した場合、「攻撃対象の選び直し」となるがこのタイミングで《炸裂装甲》《聖なるバリア -ミラーフォース-》などの攻撃反応は発動できない。


《ネフティスの鳳凰神》
・裏側守備表示で破壊されても自己再生する。

・手札に存在するこのカードが《魂を削る死霊》《いたずら好きな双子悪魔》で捨てられても自己再生しない。

・手札に存在するこのカードが《死のデッキ破壊ウイルス》で破壊された場合、自己再生する。

・装備カード状態のこのカードがカードの効果で破壊された場合、自己再生する。

・自分のスタンバイフェイズに破壊された場合、自己再生できるのは次の自分のスタンバイフェイズとなる。

・自分のドローフェイズにこのカードが破壊された場合、自己再生するのは同一ターンの自分のスタンバイフェイズとなる。


《魂を削る死霊》《ナイトメアを駆る死霊》
・「対象になった際の自壊効果」はチェーンブロックを作らず、対象を取る効果の処理後に表側表示で存在する場合にチェーンブロックの途中であっても起動する。
 例.《月の書》の対象となり、それにチェーンして、《エネミーコントローラー》(表示形式変更効果)を発動し対象となった場合、《エネミーコントローラー》の効果処理後に自壊する。

・《強奪》の対象になった場合、一度相手フィールド上にコントロール奪取された後に破壊される。

・表側表示で存在するこのカードに対して発動された装備魔法にチェーンして《サイクロン》を発動し装備魔法を破壊した場合、「発動を無効にしたわけではない」ので、装備魔法が対象としたことには変わりないため逆順処理で《サイクロン》で破壊、装備魔法不発後、自壊する。

・《月の書》《月読命》の対象になった場合効果処理後に表側表示で存在しないため自壊しない。

・《早すぎた埋葬》《リビングデッドの呼び声》で蘇生した場合、自分の場に出た直後に自壊する。
 (《激流葬》を発動することは可能、《死のデッキ破壊ウイルス》の生け贄にすることは不可)

・《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の対象になった場合、効果処理後に装備魔法扱いになるため自壊しない。


《サウザンド・アイズ・サクリファイス》
・モンスターを装備する効果にチェーンで《月の書》《破壊輪》等が発動され、効果解決時にこのカードが表側表示で存在しない場合でも、効果の対象に選択された相手モンスターは装備カード扱いになる効果を受け、装備対象不在のため対象を失い、相手のモンスターカードゾーンから墓地へ送られる。

・効果解決時にこのカードのコントロールが相手に移っている場合でも、効果は適用され対象のモンスターは相手フィールド上で装備カードとなる。
この際、相手の魔法&罠ゾーンが埋まっている場合、墓地へ送られる。

・裏側表示のモンスターも吸収可能。
裏側表示のモンスターを装備したときは裏側のまま装備されステータスの上昇値は吸収したモンスターのステータスに関わらず0となる。
また裏側カードを確認することが可能。

・トークンを装備することは可能。
トークンを装備した場合、モンスターと同様にトークンを装備カード化し、トークンの数値分攻撃力・守備力がアップする。


《ドラゴンに乗るワイバーン》
・裏側表示モンスターのみが存在する場合には直接攻撃はできない。
該当する属性のモンスターが表側表示で存在し、尚且つ裏側表示モンスターが存在する場合は直接攻撃可能。


《魔人 ダーク・バルター》
・《キラー・スネーク》を戦闘破壊した場合、「戦闘で破壊した効果モンスターの効果無効化」により《キラー・スネーク》が以後回収不能となる。


《いたずら好きな双子悪魔》
・「ランダムに1枚捨てる」効果と「さらにもう1枚選択して捨てる」効果は同時に行う扱いのため、《深淵の暗殺者》を2枚捨てた場合、双方の効果が発動し2枚とも回収できる。


《強奪》
・コントロール奪取した装備モンスターが《月の書》《月読命》等で裏側表示になった場合、このカード自体は墓地へ送るが、その後モンスターはコントロール奪取されたままとなる。


《突然変異》
・トークンや裏側守備表示のモンスターも生け贄にできる。

・「融合召喚扱いとして特殊召喚」するわけではないので蘇生制限を満たせない。


《死のデッキ破壊ウイルス》※エラッタ前
・裏側守備表示のモンスターも生け贄にできる。

・適用ターンは相手ターンのみで3ターンを数える。
自分ターンに発動した場合は次の相手ターンが1ターン目になり、相手ターンに発動した場合はそのターンが1ターン目になる。
分かりやすく言えば「発動してから3回目の相手エンドフェイズまで」適用されることになる。



【サンプルレシピ】 敬称略
2005年日本代表最終選考会 日本代表 サイドラ変異(チャミ)

2005年日本代表最終選考会 日本代表 変異スタン(T)

2005年日本代表最終選考会 日本代表 変異スタン(ペコ)

2005年日本代表最終選考会 6位 変異スタン(OGU)

2005年日本代表最終選考会 ベスト16 変異スタン(川口祐二)

2005年日本代表最終選考会 ベスト32 アビス変異(もも)

2005年日本代表最終選考会 ベスト32 ミーネ変異(真紅の鴉)

2005年日本代表最終選考会 ベスト32 戦士変異(匿名希望)

2005年日本代表最終選考会 ベスト64 変異スタン(N)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 変異スタン(みくた)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 見習い変異(匿名希望)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 変異スタン(海山)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 サイドラ変異(ウッディ)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 変異スタン(てんくう)

2005年日本代表最終選考会 ベスト88 サイドラ変異(チャック)

2005年世界大会 優勝 ネフ変異(ギリシャ)

※以下のカードが使用不可
《サイバー・ドラゴン》《イグザリオン・ユニバース》《死のデッキ破壊ウイルス》





【注意点】
変異カオスミラーを実際に作成する場合、リスト内の以下のカードは現在エラッタされています

《クリッター》

《キラー・スネーク》

《洗脳-ブレインコントロール》※ADSではエラッタ前テキスト

《破壊輪》

《死のデッキ破壊ウイルス》

またADS[YGOPRO 1.033.D(a)]ではエラッタ前のカードはアニメカード扱いとなっているため、多くの人はエラッタ前のカードは日本語化しておらず「クリッター」で検索してもエラッタ前のクリッターは表示されません
エラッタ前のカードは共通してカード名に「(Pre-Errata)」と書かれているため「アニメカードを表示」にチェックを入れた後に「Pre-」で検索すればエラッタ前のカードが表示されます





【感想と解説的なやつ】
まず初めに感じたことは「思ってたほどクソゲーじゃない」でした
当時のレシピを見れば

《強欲な壺》
《天使の施し》
《いたずら好きな双子悪魔》
《突然変異》
《破壊輪》
《聖なる魔術師》
《キラー・スネーク》
《サウザンド・アイズ・サクリファイス》

と、そうそうたる面々が並んでいます
それに加えて新エキスパートルールのため召喚成功時の起動効果の優先権が存在するので《突然変異》が通ってしまえば《天罰》でもない限り《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の除去が確定するという有様
クソゲーだと確信しました
しかし実際にプレイしてみたところ、バランスの取れた良質なゲームの連続でした
もちろん全試合が良ゲーというわけではなく数回に1回はクソゲーです
何故、現在でも禁止カードの強欲な壺や天使の施しが存在していてもクソゲーが発生しにくいのか
それは《スケープ・ゴート》の存在です
スケープ・ゴート

三種の神器

《強欲な壺》
《天使の施し》
《いたずら好きな双子悪魔》
通称、「三種の神器」
は、盤面を無視して容易にアドバンテージを生み出しますがスケープ・ゴートによってゲームスピードが極めて低速化されているため決め手になりにくいのです
高速化を極めた征竜環境でさえ一時期流行し猛威を振るったスケープ・ゴートをモンスターの展開手段が乏しい変異カオスで突破しつつ相手のライフポイントを削るのは容易ではありません
スケープ・ゴートによって生み出された数ターンは、神器等のパワーカードによって開いたアドバンテージを逆転する猶予となります
「変異カオスミラーはパワーカードを打たれてもプレイングで返せる」と言われるのはこのためです
また羊トークンは壁として運用するだけでなく《突然変異》で《サウザンド・アイズ・サクリファイス》に変換し相手の裏守備を処理したり、相手のアタッカーを処理しつつこちらのアタッカーを生成できるため無駄がありません
スケープ・ゴートに強いモンスター

スケープ・ゴートには《阿修羅》《同族感染ウィルス》などのイージーな処理方法もありますが同族感染は制限カード、阿修羅はスピリットかつ主力のアタッカーに負ける打点のため枚数を増やせば変異カオス本来の動きを殺すことになりかねないためデッキに投入できる枚数は限られます
かといって《イグザリオン・ユニバース》や《天空騎士パーシアス》などの貫通効果持ちでライフを削ろうとしても羊トークン自体は数体残ってしまいます
相手がスケープ・ゴートを発動した場合は手札に突然変異を抱えている場合が多く、次のターンに《サウザンド・アイズ・サクリファイス》に吸収され逆にこちらがライフを奪われる展開になりかねません
このようにスケープ・ゴート1枚で相手は様々な裏目と葛藤しながら処理を強いられるためゲームスピードが非常に遅く1アド、2アド程度のアドバンテージ差で強引に押し切ることは不可能です
以上のことからスケープ・ゴートはこのデッキの強みであると言えます
海外で変異カオスが【Goat Control】と呼ばれていることから見ても間違いないでしょう

しかし4アド、5アド差となれば相手の防御が間に合わなくなるためアドバンテージ差で押し切ることが可能です
そしてその多大なアドバンテージ差を容易に生み出す方法が《聖なる魔術師》による三種の神器の使い回しです
聖なる魔術師

先程も述べたとおり三種の神器は単体では大した脅威ではありませんが2回、3回と連発すればゲームスピードの遅さやプレイングでは誤魔化しが効きません
「聖マジ神器」は決まれば大きく勝利に近づきます
しかし、聖マジによる神器使い回しは最も簡単な勝ち筋であるため当然相手も警戒します
そのため聖マジによる神器使い回しは《抹殺の使徒》《突然変異》をブラフの裏守備に打たせておくプレイングなどが要求されます
また聖マジによる神器使い回しは聖マジが一度リバースすれば終わるとは限りません
聖マジに対して《月読命》《月の書》を打てば神器を使い回す聖マジをさらに使い回せます
特に月読命はカードを消費することなく神器を回収できるため、基本的に「聖マジ神器月読命」が通ればゲームエンドです
また、月読命は聖マジに限らず《暗黒のミミック LV1》《深淵の暗殺者》の使い回しもノーコストで行うため十分脅威に値します
月読命

月読命ラ院

ここまでスケープ・ゴートと神器の話しかしていませんが下級同士のビートダウン合戦が続く展開も当然存在します
その場合脅威となるのは《月読命》による極めてローリスクなアタッカーの処理です
あまりの強さに「月読命ライン」という単語が生まれるほどです
イグザリオン・ユニバース

🐑🐑🐑🐑  ┗(Exarion Universe)┓三

☆*。+゚ 。゚+1400

🐑🐑🐑    三┏(Exarion Universe)┛
羊トークンに対する貫通ビートダウンのイメージが強い《イグザリオン・ユニバース》ですが当時は高い採用率を誇り、メインデッキから3積みする構築まで存在しました
貫通効果だけではなく、守備力1900という月読命ラインを上回るどころか《天空騎士パーシアス》の攻撃さえも受け止める優秀なステータスによる《月読命》《月の書》に対する高い耐性が評価されたためです
それほど当時の環境では《月読命》は意識されていました
何故そこまで《月読命》は強いと言われるのか
それは「アタッカーを一方的に殴り倒せるから」というだけではありません
月読命が「スピリット」だからです
「手札に戻る」ということは戦闘破壊という最も効率よくアドバンテージを叩き出す方法をケアしているため、相手にとっては厄介この上ない存在です
手札の月読命は変異カオスのメインギミックでは処理できず《破壊輪》や《サンダー・ブレイク》などの単発の罠でいなすしかありません
月読命に対する解答がない場合、完全な0:1交換が成立し、その脅威が以後のターンでも持続します
この状況に陥ると月読命ライン以下のモンスターは召喚することもままならず、最悪の場合そのままこちらの盤面は崩壊します
そのため基本的に月読命はマストカウンターです

月読命がマストカウンターである理由はもう一つ存在します
サウザンド・アイズ・サクリファイス

変異カオスを代表する1枚である《サウザンド・アイズ・サクリファイス》は2つの強力な効果を持ちます
①優先権を行使した絶対的な除去
②自身の効果によるロック
前者はリソースを場に展開した場合のリスクを大きくし、
ロック効果はスケープゴート同様ゲームの低速化による捲りの機会を生み出しますが《月読命》は双方の効果に多大なる影響を及ぼします
自分のサウサクを裏にすれば吸収効果を複数回使用でき、
相手のサウサクを裏にすればロックを容易に突破します
吸収効果の使い回しは単純に考えれば1アドですが盤面に触る1アドなためただ手札が増える強欲な壺よりも強力です
「サウサク月読命」を成立させないためにはサウサクの早急な突破が求められますがサウサクを突破するのに適しているのもまた月読命です
《月読命》によるサウサクの突破は《ならず者傭兵部隊》や《同族感染ウィルス》による突破と異なり後発の2体目、3体目のサウサクに対する圧力となります
このように変異カオスミラーにおいてはほぼ全ての行動に裏目が存在するため、
損失の少ない行動を考えていくとちょっとした雁字搦めの様な状況に陥りがちです
変異カオスという名前からカオスモンスターが次々と湧いてくるようなイメージがありますが意外と攻め手は限られており、「本命の攻め」に対して除去を「打たれる」と一気にテンポを失います
いかに「見せかけの攻め」で相手の除去札やスケープ・ゴートを「打たせる」か
相手に「打たせる」ことで「本命の攻め」を通しライフポイントを削るか、というゲームになります
サイバー・ツイン・ドラゴン

変異カオスミラーにおいてキルラインとなるライフポイントは《サイバー・ツイン・ドラゴン》の2800打点の2回攻撃による5600です
ツインは9割方《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》の効果によるモンスターの除去の後《突然変異》で召喚されるため壁モンスターは信頼できません
ライフポイントが5600以下というだけで死と隣り合わせです
逆に言えば、相手のライフポイントを5600以下まで開闢を使わずに削っておけば開闢を引き込むだけでワンショットキルが狙えます
罠に強いモンスター

5600という数字は《氷帝メビウス》《人造人間-サイコ・ショッカー》《ネフティスの鳳凰神》といった罠に強い上級モンスターで1回直接攻撃するだけで届く数字であり、一見簡単そうに見えますが変異カオスには《月の書》や《スケープ・ゴート》といったフリーチェーンの速攻魔法が複数枚採用されているため見かけほど容易ではありません
損をしにくいモンスター

そこで最も効率的なのが《クリッター》《キラー・スネーク》という
破壊されてもこちらの損失とならないモンスターによるビートダウンです
相手は《炸裂装甲》《激流葬》といった貴重な除去を打つわけにはいかず、攻撃を受けてライフを失うか《スケープ・ゴート》でライフを守るかの2択です
まれに《月の書》でライフを守りつつ次ターンに《抹殺の使徒》で除外される事がありますがこの場合、自分の1枚に対して相手は2枚消費して処理しているためアドバンテージの観点から見ればむしろこちらにとってプラスです
相手が攻撃を受ければライフを削ることができ、《スケープ・ゴート》を使用した場合、サウサクによる除去は意味を成さないため単なる壁でしかなくそのまま1ターンに1体ずつ殴り続けても良し、《阿修羅》《同族感染ウィルス》で一気に羊トークンを処理するも良しの「打たせた」と言える状況になります
このプランを取った際の利点として《激流葬》《聖なるバリア-ミラーフォース-》などの全体除去に強くなります
《クリッター》《キラー・スネーク》の横にアタッカーを追加した所に全体除去を受けたとしても実質的には1:1交換のためアドバンテージの損失はなく、相手は1:複数交換しうるカードを消費しているため、こちらの利得となります
しかし裏目が存在しないわけではありません

月読命 抹殺の使徒

《月読命》+《抹殺の使徒》コンボによる除外です
このプレイで除外されたカードがクリッターなら大した問題ではありませんがキラスネの場合、デッキ・手札の《同族感染ウィルス》《突然変異》のパワーを下げてしまうため多大な損失です
ここでも鍵となるのは月読命となるわけです

①ビートダウン合戦における優位性
②リバースモンスター効果複数回使用
③サウサクの吸収効果複数回使用
④サウサクの突破
⑤抹殺と絡めた表示形式を無視した除外

1枚でこれだけの役割がありスピリットのため処理が困難である
5000兆回ぐらい言った気がしますが月読命はマストカウンターです


書くの飽きたんで解説的なの終わります





【型番・レアリティについて】

最も寄せるレアリティと型番を悩んだデッキです
古いデッキなだけに当時型番最高レアリティが一番綺麗かと思いましたがスケープ・ゴートの存在が僕を悩ませました
ウルトラを採用した場合2期テキストが混ざってしまいデッキ全体の統一感を欠きます
3期のノーマルを採用しテキストを揃えることも考えましたがデッキ名を冠するカードが光っていない最高レアリティ統一というのもいまいち燃えません
という訳で似合ってないのは百も承知で渋々いつもの新テキノーマル寄せにしました
その場合双子悪魔だけが2期テキストになるので変異カオスを代表するパワーカードである壺、施し、双子悪魔の3枚のみ2期テキストにしました
2期テキストが混ざるのが嫌で最高レアリティをやめたので矛盾している気もしますが僕にとってはこれがベストでした
せめて少しでも時代感を出すために「リリース」「アドバンス召喚」表記の型番を避け「生け贄」表記のカードを優先しました
正直この型番の揃え方はあまり気に入っていません
征竜やシャドールを回す時と比べて変異カオスを回す時は微妙にテンションが落ちます
パラレル加工を消した場合カードへの加工とみなされ大会での使用は原則不可なため加工は自己責任で行い、加工したカードはトレードや買取へ出す等の行為は絶対にしないでください
型番レアリティ1種のみと書かれているカードは現時点で集める型番を見なくて良い優しいカードです

【モンスター】
カオス・ソルジャー -開闢の使者- GS04-JP004 ノーマル×1
ネフティスの鳳凰神 SD24-JP004 ノーマル×1
人造人間-サイコ・ショッカー DC01-JP014 ノーマル×1
氷帝メビウス SD14-JP010 ノーマル×1
サイバー・ドラゴン DS13-JPL16 ノーマル×2
天空騎士パーシアス SR05-JP005 ノーマル×1
イグザリオン・ユニバース 15AX-JPM27 ノーマル×3
賢者ケイローン ST12-JP013 ノーマル×1
霊滅術師 カイクウ GS03-JP002 ノーマル×1
阿修羅 BE2-JP183 ノーマル×1
同族感染ウィルス SD33-JP015 ノーマル×1
ブレイドナイト DC01-JP004 ノーマル×1
魔導戦士 ブレイカー DC01-JP007ノーマル ×1
異次元の女戦士 GS03-JP004 ノーマル×1
月読命 GS05-JP003 ノーマル×2
ならず者傭兵部隊 SD5-JP010 ノーマル×1
クリッター DS13-JPD22 ノーマル×1
魂を削る死霊 GS02-JP004 ノーマル×1
深淵の暗殺者 SD13-JP012 ノーマル×2
メタモルポット  SD32-JP017 ノーマル×1
ネフティスの導き手 EE3-JP126 ノーマル×1
聖なる魔術師 SD32-JP018 ノーマル×2
キラー・スネーク SJ2-018 ノーマル×1
暗黒のミミック LV1 EE3-JP009 ノーマル×1

【魔法】
大嵐 SD26-JP028 ノーマル×1
いたずら好きな双子悪魔 MR-39 ノーマル×1
突然変異 EE1-JP038 ノーマル×1
強欲な壺 PG-59 ノーマル×1
ライトニング・ボルテックス ST14-JP023 ノーマル×1
抹殺の使徒 GS03-JP011 ノーマル×2
光の護封剣 15AY-JPC25 ノーマル×1
天使の施し YU-23 ノーマル×1
サイクロン SPTR-JP051 ノーマル×1
月の書 DS13-JPD29 ノーマル×3
スケープ・ゴート YSD2-JP021 ノーマル×3
強奪 SD5-JP019 ノーマル×1
団結の力 ST17-JP027 ノーマル×1
早すぎた埋葬 SD13-JP021 ノーマル×1

【罠】
奈落の落とし穴 SD27-JP038 ノーマル×1
威嚇する咆哮 ST16-JP037 ノーマル×1
聖なるバリア -ミラーフォース- ST14-JPA07 ノーマル×1
激流葬 SPTR-JP059 ノーマル×1
炸裂装甲 ST14-JP032 ノーマル×2
死のデッキ破壊ウイルス SD12-JP027 ノーマル×1
破壊輪 SK2-038 ノーマル×1
リビングデッドの呼び声 SD28-JP037 ノーマル×1


【融合デッキ】
メテオ・ブラック・ドラゴン TP04-JP002 ノーパラ×1 ※要消しゴム
サイバー・ツイン・ドラゴン DP04-JP011 字レア×2
ガトリング・ドラゴン EE3-JP155 ウルトラ×2
闇魔界の竜騎士 ダークソード EE3-JP095 字レア×1
ドラゴン・ウォリアー BE02-JP110 字レア×1
おジャマ・キング EE3-JP034 字レア×1
デス・デーモン・ドラゴン BE02-JP123 字レア×1
黒き人食い鮫 TP04-JP008 ノーマル×1
魔人 ダーク・バルター BE02-JP099 字レア×2
ドラゴンに乗るワイバーン TP07-JP008 ノーマル×1
ナイトメアを駆る死霊 EE1-JP026 字レア×2
暗黒火炎龍 TP01-JP008 ノーマル×1
アンデット・ウォーリアー TP16-JP008 ノーマル×1
サウザンド・アイズ・サクリファイス DP19-JP005 字レア×3