旋風

ブースターSP-トライブ・フォース-でのBFパーツ大量再録を期に流行り始めたミラーです
どの時期のカードプールで行うかは人によって異なりますがほとんどの場合2010年9月禁止制限のものが用いられます
わいるどまんさんが以下の構築を上げたあたりから本格的に流行り始め、その構築をそのまま使用するのが主流のようです
旋風BFミラー テンプレ

前にも言いましたが俺は構築を完全に固定する方式があまり好きではないので、以前紹介した8征竜ミラーと同じくあらかじめ用意した当時のレシピのメインデッキで採用率が高かったカードの束からカードを取捨選択しデッキを構築する所からスタートする方式にしました
カードプールとしては同じく2010年9月禁止制限のものとなります

旋風BFミラー

ゔぁりすが勝手に作ったカード検索のレシピ
カード検索


画像のメインデッキ60枚、エクストラデッキ20枚の束から
メインデッキ40枚以上、エクストラデッキ15枚以下のデッキを構築して行います
ルールは当時のマスタールール1を適用
先攻ドロー 
召喚成功時の起動効果の優先権 



【感想】
やってみた感想としては「楽しいけど思っていたほどではない」でした
ミラーマッチ特有の初動の差で決まる展開が思っていたより多く、メイン・サイドを共に一から自分で構築しお互いに相手デッキの内容が分からない状態でなければBFミラーの楽しさは半減
ミラーマッチセットとして遊ぶにはあまり向いてないと感じました
「有名だから組む気そこまでしないけどとりあえず組んどくか」で組んだら案の定微妙
当時やっていた人間ならそれなりに楽しめるけれど互いにデッキの内容をある程度把握しているミラーマッチセットとしてなら墓地BFミラーなどの方がおそらく楽しさは上だと思います





【オマケの解説みたいなの】
旋風BFはシンクロ召喚実装以降初のトップメタに君臨したテーマデッキです
登場以後幾度か規制を受けながらも長らく環境デッキの地位を保ち続けた理由はその柔軟性にあります
BF-蒼炎のシュラ

《BF-暁のシロッコ》
《BF-蒼炎のシュラ》
《BF-黒槍のブラスト》

といった高打点の主力に加え
BF-月影のカルート

《BF-月影のカルート》
によるコンバットトリックで戦闘面では他のデッキを圧倒し
BF-極北のブリザード

《BF-疾風のゲイル》
《BF-極北のブリザード》

といった展開力に長けたチューナーでシンクロ召喚を行い状況に対応する
まさしく柔軟そのものです


また、第6期初の環境テーマデッキというだけのことはあり、それぞれのカードにある程度のシナジーが存在し例えば、《BF-蒼炎のシュラ》の場合は

・《BF-月影のカルート》→コンバットトリックによるリクルート効果の補助、リクルート効果による特殊召喚

・《BF-疾風のゲイル》→攻守半減効果によるリクルート効果の補助、リクルート効果による特殊召喚


・《BF-大旆のヴァーユ》→リクルート効果による特殊召喚、効果無効化による完全な星1チューナー化

黒い旋風

このような近年に比べれば微弱なシナジーを強めるのが《黒い旋風》です
自身未満の打点の後続をサーチし強引にシナジーを強めます
《黒い旋風》は1回サーチが成功することで《増援》のような役割+相手に対する威圧的な意味での情報アドバンテージ(相手がサイクロンを打てばアドバンテージ+1となる)をもたらし、
2回目で+1、3回目で+2と使えば使うほどアドバンテージを獲得できるカードであり旋風の有無でデッキとしての完成度は大きく異なります

以上の各種【BF】カードに《ゴッドバードアタック》を加えた骨格に《死者蘇生》《神の宣告》等の汎用カード及び《奈落の落とし穴》《次元幽閉》といった当時の環境に適した罠で肉付けされたのが一般的な旋風BFの構築です


ゴッドバードアタック

その旋風BFにおいて最も恐ろしいカードは間違いなく《ゴッドバードアタック》でしょう
ミラーマッチに限らず、フリーチェーンで2枚のカードを破壊するのは重いコストを補って余りあるとんでもないカードパワーです
発動した側 2枚消費
・ゴッドバードアタックそのもの 1枚
・ゴッドバードアタックのコスト 1枚


打たれた側 2枚損失
・ゴッドバードアタックで破壊される 2枚

と、枚数だけ見れば2;2交換でそれほど大きなアドバンテージを生み出しているようには見えませんがフリーチェーンなためエンドフェイズなどにも発動可能で打たれた側は損失を立て直すのが非常に難しく、発動した側のプレイヤーに大きなテンポアドバンテージを与えます
またBFモンスターに対して発動された《奈落の落とし穴》《次元幽閉》にチェーンすれば2:3交換が成立するため相手の場に1枚のバックがあるだけでそれらの罠がまともに機能しません
3



ゴドバによる2:3交換をケアする方法は3つあり

サイクロン

1つ目は相手の《ゴッドバードアタック》が発動不可能な状態で《サイクロン》やこちらの《ゴッドバードアタック》による破壊
しかし相手が《ゴッドバードアタック》のみを伏せる状況はそれほど多くないため運要素が絡みます

盗賊の七つ道具

2つ目は《我が身を盾に》《盗賊の七つ道具》《神の宣告》によるカウンターで2:2交換化
しかしいずれのカードもライフコストが伴うためライフレースにおいて不利となります

BF-暁のシロッコ

3つ目が2枚以上カードを置かないこと
例えば相手の先攻シュラ2伏せに対し、《BF-暁のシロッコ》で上から殴り倒す等です
シロッコは《BF-月影のカルート》のケアも同時に行えるため実にハイスペックなモンスターです
シュラ2伏せに対してのプレイは他には《次元幽閉》1枚を伏せて返すといったプレイがあり、
相手のシュラをうまく《次元幽閉》で処理しつつ相手が後続のモンスターを召喚できない場合《ゴッドバードアタック》は腐り1つ目の発動不可状態での破壊が狙えます
しかし相手が《サイクロン》を発動してきた場合こちらの場はガラ空きとなり相手の展開を簡単に許しこちらは多くのライフを失ってしまいます

このように旋風BFミラーにおいては《ゴッドバードアタック》によってどちらかのケアをすればどちらかのケアが疎かになってしまう「嵐サイクの矛盾」のようなケアのトレードオフ関係といえる状況が多々発生します
魂を削る死霊ノー

このケアのトレードオフ関係の最たる例が 《魂を削る死霊》です
《ゴッドバードアタック》による2:3交換成立のため、あえてBFモンスターを召喚せずにゴドバのみを伏せてターンを渡し、次ターンにBFで罠を踏みつつゴドバで場を荒らそうとすると
ゴドバを伏せて渡したターンに《ゴッドバードアタック》《奈落の落とし穴》をすり抜けて死霊によるハンデスが成立してしまいます

このトレードオフ関係の各カードへのケアでどのカードへのケアを優先するべきか
相手のプレイを見て判断していくことが必要になります
これが旋風BFミラーで勝つための重要な要素の一つだと思います
では勝敗を左右する他の要素とは何なのか?
元来ミラーマッチというものは旋風BFに限らず、同系統のデッキ同士のため相性による有利・不利がほぼ存在せず勝敗を左右する要因は限られています。
その要因は大きく分けて4つあります。

①先攻か後攻か 100%運(じゃんけん)
・先攻の1枚のアドバンテージ
・先攻の罠先置き(特にゴドバ)

②初手とドローカード 90%近く運、残りが構築
・初動の有無
・モンスター、魔法、罠のバランス
・パワーカードの有無

③構築 100%自分
・安定性のある構築か
・選択肢の多い構築か
・ミラーマッチに対して強いカードの枚数

④プレイング 100%自分
・相手の持つ妨害札の読みが適切か
・各カードに対するケアを怠っていないか
・リスクとリターンの見極めが適切か
・妨害札を打つタイミングが適切か

このミラーマッチ4要素をどれだけ仕上げるかによってミラーマッチの勝率が決まります。
旋風BFミラーにおいても基本的にミラーマッチの4要素が勝敗を決定するわけですが見ての通り①先攻後攻②初手とドローカード以外の要素は「100%自分」の項目です。
また、旋風BFは固定枠が多いこと、古いデッキであるためデッキ内のカードにアクセスする術がほとんどないこと、この2点が③構築の差を征竜ミラーやシャドールミラーなどと比べて小さくします。

④プレイングも同様でカード1枚で出来る動きに幅がないため、
「妨害札の読み」と「各カードのケア」がプレイングの大部分を占め、回数を重ねて慣れればおのずと100点に近い構築とプレイングが出来上がっていきます。

以上の点から結果的には、
初手と先攻後攻が最大の決め手になります。
逆に言えば③構築④プレイングは完璧であることが前提であり、①先攻後攻②初手とドローカードで得たアドバンテージをいかにプレイングミスで失うこと(減点)なく勝つか、というポールトゥーウィン的な勝ち方が要求されます。
これが最初に述べた減点方式です。

書くの飽きたんで終わります





【聖書】
旋風BFのメカニズム - くされにっき
CS総括 - くされにっき