『マジック:ザ・ギャザリング』、通称『MTG』の知識ゼロの人間がデモコン理論を遊戯王で応用するにあたって
MTGに関わったことがない遊戯王一筋のプレイヤーですら一度は耳にするデモコン理論
MTGだけに留まらずあらゆるカードゲームで通用し得る理論だがMTG発の理論を規格が異なる遊戯王にそのままイコールで応用できるはずがない
本記事はデモコン理論を遊戯王で応用するにあたって生じる差異について考察する記事である
…たぶん
というわけでいつも通り独断と偏見で勝手に書いていこうと思う
MTGの理論を遊戯王に持ち込み応用する、つまり他TCGの理論を持ち込むことになる
よってデモコン理論の狭義的な部分は無視して広義のみを参照し応用することとする
【そもそもデモコン理論とは何か】
デモコン理論 - MTG Wiki
デモコン理論のデモコンとは『デモニック コンサルテーション』の略
つまり《Demonic Consultation》のこと
日本語版のカードは存在しない、カード名は直訳すると《悪魔の相談》
デモコン理論の元になったのは実はこのカードではなく《オークの司書/Orcish Librarian》らしいが今回はそこはあまり重要ではないので気になった人は各自で調べてみてほしい
上記のMTG Wikiから主な内容を遊戯王用語に置き換えて抜き出してみる
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《Demonic Consultation》
通常魔法
(1):カード名を1つ宣言して発動できる。
自分のデッキの上からカード6枚を除外する。
その後、宣言したカードが出るまでデッキの上からカードをめくり、そのカードを手札に加える。
残りのめくったカードは全て除外する。
※MTGは基本的にはデッキ枚数は下限60枚(上限は無い) 同名カードは4枚まで
デモコン理論とは、「デッキを最後まで使い切らないデッキならばどの道使わずに終わってしまう無駄なカードが発生するので、いくらかデッキが削れたって全く問題は無い」と言う考え方。
特定のキーカードが存在し、かつデッキからサーチを行う場合は話が変わってくるが、キーカードが特に存在しないビートダウンデッキなどの場合、デッキの一番上から30枚も一番下から30枚も内容的に殆ど変わらない。また、特定のキーカードが存在するデッキでも、デッキを削る場合と削らない場合でキーカードを引く確率は変化しない(ただし、削る前と削った後では変化する)。従って、《Demonic Consultation》一発でデッキが30枚消し飛んだとしても、それらはゲームが終わるまでデッキの底で無駄になるはずだった、あってもなくても変わらないカードも同然なのである。
当然だが、デッキのカードを全部引ききる事が前提になっているデッキでは通用しない理論である。
《Demonic Consultation》の代償の重さが目立つが、MTGと遊戯王では枚数制限やデッキ枚数の違いもあるので当然である
《Demonic Consultation》は「デッキをX枚失う代わりになんでもサーチできる」カード
『除外を起点に妙なコンボができそう』と思う人もいるだろうが《Demonic Consultation》自体の性能ではなくあくまでもデモコン理論の話なのでとりあえずそこは目を瞑ってほしい。「裏側で除外」などに置き換えればイメージしやすいかもしれない
要は『デッキ枚数60枚想定で、4積みの《大嵐》をサーチし、めくった他のカードは除外する、リバース効果が通常魔法に置き換わった、《魔導雑貨商人》のようなカード』を運用するうえでキーカードが特に存在しないビートダウンデッキなどの場合、デッキを失うデメリットは無視できるレベルの問題だ。みたいなことを言っている
つまりデモコン理論とは
《Demonic Consultation》の『指名したカードをサーチする』などの得られるリターンに対して、デッキをランダムに複数枚失うリスクを背負うことは、キーカードの消失をある程度許容できるデッキであれば大した問題ではない
この一点を主張した理論だと思われる
確率的にデモコン理論が正しいかどうかという話は他所で議論され尽くされており、本題から脱線するのでここではあえて触れないこととする
得られるリターン > デッキを複数枚失うリスク
この構図さえ守られていればデッキを複数枚失うことは大した問題ではない
ただそれだけのシンプルな理論
カードゲームで理論と言われると少しイメージしにくいかもしれないが簡単に言えばデモコン理論は判断基準の一つである
例えば《カードガンナー》を採用するにあたってデモコン理論ではそのデッキの採用範囲内であったとしても、出来上がったデッキが環境において強いかどうかは全くの別問題
デモコン理論は有力な判断基準だがいついかなる場合でも絶対的なものというわけではない
デモコン理論は『そのデッキの“デッキを削るカード”に対する適性を評価する判断基準』であり、『そのデッキの強さを評価する判断基準』とは別物なのでデモコン理論自体は無視した方が良い場合もある
デモコン理論という判断基準を遊戯王に持ち込むとどうなるのかをこれから考察していく
【遊戯王への応用】
遊戯王において「デッキを複数枚失うリスクを伴うカード」の大半は《Demonic Consultation》のような『多大なリターンを得るためにデッキを削ることを覚悟する』カードではなく、『デッキを削ること(墓地肥やし)自体が目的』のカードである
※ 《強欲で貪欲な壺》等の例外も存在する
つまり「デッキを削ること」が目的であると同時にデメリットでもあるという矛盾を抱えている
その矛盾を紐解き、正当化させることが遊戯王におけるデモコン理論の応用方法ではないだろうか
というわけでこれからランダム墓地肥やしを中心に考察していく
デモコン理論を遊戯王に応用するにあたって考える点は主に3つ
①デッキを複数枚失うリスクを背負えるデッキタイプか
②そのデッキの許容範囲はどの程度か
③得られるリターンはリスクに対して適正か
①デッキを複数枚失うリスクを背負えるデッキタイプか
─デッキ構築序盤でのデモコン理論─
『デッキを複数枚失うリスクを背負えるデッキタイプ』といえば【ライトロード】が真っ先に思い浮かぶ
下級モンスターのほぼ全てがランダム墓地肥やし効果を持ち、強力なフィニッシャー《裁きの龍》の召喚による決着を目指すテーマデッキである
ランダム墓地肥やしの複数回使用を前提にデザインされたテーマで『デッキを複数枚失うリスクを背負えるデッキタイプ』という条件に最も適合しているデッキだろう
では《裁きの龍》のようなカードを持たないデッキではどうだろうか
【ライトロード】のようなテーマ単位ではなく、単体で用いられるランダム墓地肥やしとして代表的なカードと言えばやはり《カードガンナー》だろう
「奈落をすり抜け、戦闘破壊されても1ドローにより損をしない19打点」という墓地肥やしを無視しても十分ハイスペックなカードだがデッキ内リソースを削るリスクや召喚権のダブつきが嫌われメインデッキに採用されるのはやはり【デブリダンディ】のようなランダム墓地肥やしを行うことを前提としたデッキが多い
しかし同じデッキでありながら時期によって《カードガンナー》の採用率が大きく異なるデッキが存在する
【墓地BF】である
2009年3月制限の構築
2011年3月制限の構築
当時の入賞レシピを全てチェックしたわけではないので正確な数字までは出せないが
《カードガンナー》の採用率は2009年3月制限では低く、2011年3月制限では高い傾向があった
2011年3月制限の構築が、2009年3月の構築から変わった大きな点は以下の通り
・《BF-疾風のゲイル》が制限で枚数減少
・《ネクロ・ガードナー》が制限で枚数減少
・《異次元からの埋葬》が制限で枚数減少
・《強欲で謙虚な壺》の採用に伴う安定性向上
ただパワーダウンしただけにも見えるが実際は全く別のデッキとなっている
2009年3月制限の墓地BFは【墓守猫】をはじめとした猫シンクロ系デッキに対するメタデッキとしての側面が強い
《ネクロ・ガードナー》《異次元からの埋葬》で猫側の攻めを防ぎ、《BF-疾風のゲイル》で場を返す
これを繰り返すことで猫側の 《X-セイバー エアベルン》枯渇を狙ったコントロール系デッキ
対する2011年3月制限の墓地BFは《BF-大旆のヴァーユ》による墓地シンクロを主軸とし、《ゴッドバードアタック》《魔のデッキ破壊ウイルス》によるサクリファイス・エスケープで罠を躱しつつ次なる墓地シンクロへつなげていくビートダウンデッキ
二つのデッキは名前こそ同じ【墓地BF】だが、主軸とするカードと思い描くゲームプランはまるで違う
2009年3月制限の墓地BFはデッキ内残リソースの重要度が高く、明らかにランダム墓地肥やしを行うリスクが大きい
得られるリターン > デッキを複数枚失うリスク
そのためデモコン理論の構図が成り立っていると言えるかは怪しく《カードガンナー》の採用が分かれたのだと思われる
墓地BFの《カードガンナー》の件で言えることは二つ
・《BF-大旆のヴァーユ》等の墓地利用ギミックが同程度採用されたデッキでもランダム墓地肥やしカードを採用を必ずしも肯定するものではない
・重要なサーチ/リクルートを行う頻度が高いデッキではなくても、デッキ内残リソースが重要なデッキではランダム墓地肥やしを行うリスクは非常に大きい
つまりデモコン理論における『キーカードの消失をある程度許容できるデッキ』とはサーチ/リクルートの重要度と頻度が低いだけでなく『デッキ内リソースの量に左右されないゲームプランを描くデッキ』である
②そのデッキの許容範囲はどの程度か
─デッキ構築終盤でのデモコン理論─
たとえ『ランダム墓地肥やしを採用できるデッキタイプ』であったとしてもデッキによって許容範囲は異なる
ランダム墓地肥やしの許容範囲を考察するにあたってちょうど良いデッキがある
【デブリヒーロー】である
ランダム墓地肥やしは《ライトロード・ハンター ライコウ》が3枚
それに加え《カードガンナー》の採用された構築もいくつか見受けられた
ランダム墓地肥やしの採用枚数自体は墓地BFよりも多く、召喚権を割くカードも少ないのに《カードガンナー》の採用が分かれたのは何故か
【デブリヒーロー】が墓地に落としたい主なカードは以下の通り
《ライトロード・ハンター ライコウ》
《スノーマンイーター》
《魂を削る死霊》
《E・HERO エアーマン》
《E・HERO アナザー・ネオス》
墓地発動効果を持たず《デブリ・ドラゴン》《ミラクル・フュージョン》《ヒーロー・ブラスト》の使用を前提としたカードばかり
《ミラクル・フュージョン》を複数枚握ってでもいない限り、星2、星3、HEROはそれぞれ1枚落ちていれば十分で同名2枚目以降が落ちた際の働きはほぼなく、《デブリ・ドラゴン》や《ミラクル・フュージョン》が落ちた際のダメージも大きい
要はランダム墓地肥やしやゲームの流れで所定のカードが墓地に置かれた場合、その後の墓地肥やしはリターンがないリスクだけを伴う無駄な行為となる
序盤、終盤共にランダム墓地肥やしが有効に働く確率としては【墓地BF】より圧倒的に低い
加えてどのカードも墓地に落ちるメリットは後発のカードの素引きを前提としたもの
以上のことから【デブリヒーロー】はランダム墓地肥やしを行うメリットが少なく、伴うリスクも高いデッキであると言える
相手の上級や罠を割り、《氷結界の龍 トリシューラ》への布石となる《ライトロード・ハンター ライコウ》に対し、《カードガンナー》は罠に強い19打点でしかなくデブリで釣れることを考慮しても《E・HERO アナザー・ネオス》とほとんど役割が被っている
その上効果を使って19打点にならなければ使い物にすらならない
無駄なランダム墓地肥やしを行うことを嫌った結果採用が分かれたと思われる
デブリヒーローの《カードガンナー》の件で言えることは二つ
・デッキ毎に、ランダム墓地肥やしが有効に働く確率は異なる
・デッキ毎に、ランダム墓地肥やしを行えるおおよその回数は違う
以上の2点をふまえたデッキ構築が求められる
③得られるリターンはリスクに対して適正か
─プレイングでのデモコン理論─
デモコン理論が用いられるのはデッキ構築に限った話ではない。プレイングでもデッキ構築と同様に当てはめることができる
例を挙げてみよう
【デブリダンディ】がデッキ枚数残り10枚で内容が以下の通りだったとする
2《カオス・ソーサラー》
2《デブリ・ドラゴン》
1《ダンディライオン》
1《グローアップ・バルブ》
1《スポーア》
1《死者蘇生》
2《貪欲な壺》
この状況で《カードガンナー》の効果を発動するべきだろうか?ほとんどの人はNOと言うはず
もちろん今適当に考えた極端な例であり実際にこの状況が発生することはまずない
終盤に素引きしたいカードが7枚に対し、落としたいカードは3枚、デッキ切れのリスクも含めて考えれば《カードガンナー》の発動がいかに無謀かは誰の目にも明らかだろう
デモコン理論の前提条件である「デッキのカードを引ききらないこと」にも抵触しかねない
ライフポイント等の状況次第で苦肉の策として仕方なく発動することはあっても積極的にプレイすることは無いはずだ
得られるリターン > デッキを複数枚失うリスク
この馬鹿げた例で伝えたいのはプレイでもデモコン理論の構図は有効だということ
・いかにランダム墓地肥やしに適合したデッキでも墓地肥やしを行う価値があるかどうかは状況(主にデッキ内)による
思考停止でランダム墓地肥やしを行わず、発動に値するか否か判断する必要がある
情報アドバンテージに関して
デモコン理論を否定する人の多くは情報アドバンテージを引き合いに出す
「デモコン理論は情報アドバンテージを考慮していない」といった意見がよく見受けられる
しかし本当にそうだろうか
『デッキを最後まで使い切らないデッキならばどの道使わずに終わってしまう無駄なカードが発生するので、いくらかデッキが削れたって全く問題は無い』
確かにこの一文だけを見れば情報アドバンテージのことは無視しているようにも思える
《大嵐》が落ちた際の影響が大きいのは周知の事実だが実際どのような情報アドバンテージが生じているのか
考えられるのは主にこの二つ
・《大嵐》を引き込む可能性の消失
・相手が《大嵐》を警戒する必要がなくなる
特に影響が大きいのは後者だろう
《大嵐》を引き込むことを前提にゲームメイクする人間などいないはずだ
相手が《大嵐》を警戒する必要がなくなるとどう変わるのか
まず考えられるのは『《大嵐》による1:3交換や1:4交換のおそれがないのでガン伏せ』
ガン伏せ自体は《大嵐》の所在が分からない状況でも行われることのあるプレイだが伴うリスクが段違い、つまり相手のプレイングにかかる負荷が減るのである
対して《大嵐》を引き込む可能性が消失したことで自分のプレイングにはどのような影響があるだろうか
『《大嵐》を引き込めば可能性がある場面で“大嵐を引くまで持ちこたえる”という選択肢を取れない』ぐらいではないだろうか
《大嵐》以外に勝ち筋がないのであればそれは元々分が悪い賭けであり情報アドバンテージが原因でその試合を落とすことになったとは言えない
自分のプレイングに大きな影響はないと言えるレベルだろう
自分のプレイングに大した影響はなく、相手のプレイングにかかる負荷が減る
無視できるレベルでは無いにせよ、ランダム墓地肥やしを行うにあたって背負うリスクとしては特別重いものではない
ならば何故情報アドバンテージを理由にデモコン理論を否定するのか
考えられるのはやはりプロスペクト理論だろう
プロスペクト理論 - Wikipediaより引用
人間は目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、
損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向(損失回避性)がある
ランダム墓地肥やしは利益(墓地肥やし)は不確実でリスク(制限カード等が落ちる)を伴う行為
情報アドバンテージを理由にランダム墓地肥やしを嫌う人は制限カードが複数枚落ちる事態を想定し、そのリスクを恐れているのではないだろうか
「《カードガンナー》で《大嵐》だけでなく《死者蘇生》《激流葬》と立て続けに制限カードが落ち、狙いのカードは一切落ちない」
例えばこのような事態が起きれば情報アドバンテージによる損失は大きい
だが《大嵐》《死者蘇生》《激流葬》の3枚が落ちる確率は《グローアップ・バルブ》《スポーア》《ダンディライオン》の3枚が落ちる確率と同じであり考慮に値しない
《針虫の巣窟》のようなカードを除けば《光の援軍》《ライトロード・ハンター ライコウ》などランダム墓地肥やしカードには墓地肥やしの内容に関係なくサーチや1:1交換を行うものが多く、直接的なカードアドバンテージの損失はない
ランダム墓地肥やしは元々「落ちればラッキー」程度のものなので6枚落として1枚でも落ちれば上出来
仮に6枚落として《BF-大旆のヴァーユ》が落ちた場合、+0.5のカードアドバンテージを得る
0.5のカードアドバンテージを情報アドバンテージだけでかき消すには残り5枚の内に制限カードが複数枚あったとしても怪しいところ
ランダム墓地肥やしを採用するデッキは、基本的に情報アドバンテージとなる制限カードに対して落としたいカードの数は同程度かそれ以上採用されている場合がほとんど
確率的には墓地アドバンテージを得る確率の方が高い
つまり情報アドバンテージの損失は割り切れるレベルだと考えられる
プレイ中に自身の本能的な損失回避性に流されない勇気と一度リスクとリターンを天秤にかける冷静さは必要不可欠である
《強欲で貪欲な壺》について
ここまで読んでいただいた方にはお察しの通り、筆者には《強欲で貪欲な壺》がカードプールに存在する環境のプレイ経験はない
なのでこのカードに関して大したことは言えないがデモコン理論は問題なく通用すると思う
得られるリターン > デッキを複数枚失うリスク
この構図さえ保たれていれば良いわけで裏側で除外する分情報アドバンテージは絡まないのでかえってシンプル
デッキタイプ、そのデッキの許容範囲を考えていけばおのずとそのデッキの適正枚数は定まっていくはず
プレイする際も発動に値するか否かを考えれば良い
ただデモコン理論は判断基準の一つであり、絶対的なものではなく出来上がったデッキの環境における強さを保証するものではない
デモコン理論では2枚採用が正解だったとしても、環境的には3枚採用せざるを得ない。という事態も当然起こり得ると思う
まとめ
得られるリターンに対して、デッキをランダムに複数枚失うリスクを背負うことは、キーカードの消失をある程度許容できるデッキであれば大した問題ではない
デモコン理論とはこの一点を主張した理論だと思われる
得られるリターン > デッキを複数枚失うリスク
この構図さえ守られていればデッキを複数枚失うことは大した問題ではない
デモコン理論は判断基準の一つ
例えば《カードガンナー》を採用するにあたってデモコン理論ではそのデッキの採用範囲内であったとしても、出来上がったデッキが環境において強いかどうかは全くの別問題
【遊戯王への応用】
遊戯王において大半は『多大なリターンを得るためにデッキを削ることを覚悟する』カードではなく『デッキを削ること(墓地肥やし)自体が目的』のカード
よってランダム墓地肥やしが遊戯王におけるデモコン理論の主なテーマとなる
①デッキを複数枚失うリスクを背負えるデッキタイプか
─デッキ構築序盤でのデモコン理論─
・《BF-大旆のヴァーユ》等の墓地利用ギミックが同程度採用されたデッキでもランダム墓地肥やしカードを採用を必ずしも肯定するものではない
・重要なサーチ/リクルートを行う頻度が高いデッキではなくても、デッキ内残リソースが重要なデッキではランダム墓地肥やしを行うリスクは非常に大きい
つまりデモコン理論における『キーカードの消失をある程度許容できるデッキ』とはサーチ/リクルートの重要度と頻度が低いだけでなく『デッキ内リソースの量に左右されないゲームプランを描くデッキ』である
②そのデッキの許容範囲はどの程度か
─デッキ構築終盤でのデモコン理論─
・デッキ毎に、ランダム墓地肥やしが有効に働く確率は異なる
・デッキ毎に、ランダム墓地肥やしを行えるおおよその回数は違う
以上の2点をふまえたデッキ構築が求められる
③得られるリターンはリスクに対して適正か
─プレイングでのデモコン理論─
・いかにランダム墓地肥やしに適合したデッキでも墓地肥やしを行う価値があるかどうかは状況(主にデッキ内)による
思考停止でランダム墓地肥やしを行わず、発動に値するか否か判断する必要がある
情報アドバンテージに関して
ランダム墓地肥やしを採用するデッキは、基本的に情報アドバンテージとなる制限カードに対して落としたいカードの数は同程度かそれ以上採用されている場合がほとんど
確率的に墓地アドバンテージを得る確率の方が高い
つまり情報アドバンテージの損失は割り切れるレベルだと考えられる
プレイ中に自身の本能的な損失回避性に流されない勇気と一度リスクとリターンを天秤にかける冷静さは必要不可欠である
《強欲で貪欲な壺》について
知ら管
おわり
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